眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「……私も、確認したい」
「うん?」
「御影さんは……誰とでも、するの?」
「なにを」
「こういうこと……よく、するんですか?」
「……。」
思い切って尋ねた問いに、御影さんは数秒の間を置いたあと静かに息を吐いた。
「そんな暇、あるように見える?」
……見えない。
怪我をしているときはずっと看病してくれてたし、学校では女の子を隣に歩かせない王子様、らしいし。
夜も会合と白夜関連の外出がある以外は、ほとんど家で一緒にいる。
どこかで私の知らない人と……なんて時間は、多分、
ううん、どう考えたってない。
「いいって言ったら、ほんとにするの?……その、最後まで」
「する。お前が寝落ちない限り」
「、…」
戸惑う気持ちは嘘じゃない。
でも、内心喜ぶ自分もいる。
少なくとも今、御影さんがこうしたいと思う人は私だけ。
私だって……こうしたいと思うのは、御影さんだけだから。