眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



パチパチ、と、ボタンがひとつずつ外されていく。


どこまで外されたのかわからないけど、なんとなく息苦しさからも解放された気がした。



「御影、さ……」

「みのりちゃん、僕、御影くんじゃないよ?」

「……どうして、そんなこと、言うの」

「え?」

「私のこと、…嫌いになったから…?」

「……」



小町さんのことでわがままを言って、作戦なんてどうでもよくなるくらい嫌気がさしたのかもしれない。


どうしよう、そんなのいやだ。



だって私……やっぱり御影さんと一緒にいたいよ……



「謝る、から、……嫌いに、ならないで、」

「、…」

「御影、さん、…」

「大丈夫、嫌いじゃない」

「ほん、とう……?」

「うん、本当」

「じゃあ……」

「うん?」

「また……して?」

「なにを?」

「キス……して」

「……え」


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