眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
風邪、移っちゃうかな。
そしたら私が看病してあげればいいかな。
そうだよね。だからもっと、…
もっと……
「もう、おしまい……?」
「これ以上したら、我慢できなくなっちゃう」
「あと、少しだけ……」
「、……」
「……おねがい」
「っ……その顔、ずるいよ」
「んんっ…」
おねだりをすると、さっきより深いキスが届いた。
完全に乗り上げたベッドの上で、口の中で熱いものが絡まるキス。
「ぅ、ん、……」
「……みのりちゃん、可愛すぎるんだけど」
「ん…」
呼吸のタイミングで小さな声が聞こえた気がしたけど、聞き取るだけの余力はない。
私をホールドするみたいに囲う御影さんの腕の間で、角度を変えて何度も重なる唇に応えるので精一杯だ。
柔らかくて熱いものが、深く口の中を探ってくる。
そのたびにベッドが微かに軋むけど、高熱のせいか恥ずかしさは感じない。
でも、おかしいな。
六畳一間に、ベッドなんてあったっけ。
頭が朦朧として、その答えにすらたどり着けない……