憂鬱な雨の日だから【完】
次の日。
学校に着くと、昇降口のところでジャージを着た湯川くんにばったり会った。
朝練終わりだろうか。
首元にはキラリと微かに汗が光って見えた。
「湯川くん、おはよう」
「おはよ。昨日濡れなかった?」
「うん。おかげさまで。ありがとね、こんな見ず知らずのヤツに傘貸してくれて」
「見ず知らずでもないでしょ。クラスメートなんだし」
「そりゃそーか。あ、よかったら、コレ」
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