離れていた時間
2. 嫌な予感


 疑問に思いながら、私はアルバムを整理する。

 古びたダンボール箱は、今にも底が抜けそう。

 新しいプラスチックケースに、重くて厚みのあるアルバムを移し替える事に決めた。


 母は懐かしそうに、結婚前の写真が納められたアルバムに見入って夢中になってる。

 父は外で車庫の中を片付けているので、私が一人でやるしかない。

 思い出の風景や場面の写真は、処分なんてできないから全て保管しようと決めた。


 娘の私に任せて両親は知らん顔。

 勝手な判断で整理しても、後になってから怒らないでほしいわ。

 文句や苦情は聞き入れませんから。


 ちょっと不機嫌な表情の私は、ダンボール箱の中にある重くて厚みのあるアルバムを上から順番に少しずつ取り出していく。

 中身を見たら、また作業の手が止まってしまうので我慢しよう。


 一つ目の箱は移し替えが終了した。

 私は大きな溜息をついて、額の汗を拭う。

 もう一つで終わりだけど、二つ目のダンボール箱は未開封。



 なぜか、黒色の油性ペンで開封禁止と書かれていた。



 すごく怪しい……




< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop