今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
プロローグ
side 翔

「千桜(ちお)、チー」


「お兄ちゃん」


目が合うと嬉しそうに走り寄る、この世で一番愛しい女の子。


お互いまだ子供だったけど、キミへの気持ちは本物だと感じていた。


「チー、大好きだよ」


はちきれんばかりのその笑顔は俺の宝物だ。


「私も」


「ずっと一緒にいよう」


「うんうん」


「だったら将来、お兄ちゃんのお嫁さんになる?」


「うんっ、なるー」


両手をあげてニコニコ笑うキミ。


「約束だよ」


「うん、やくそく」


指きりして、微笑みあった。


夢みたいに幸せな瞬間の記憶。


千桜、俺はもうずっと、キミだけを愛してる。


これからも、この気持ちは変わらないよ。


たとえ何があっても……。
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