今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「おはよう」


翌日、いつものように朝食の支度をしてから彼女の部屋をノックした。


両親は今朝は早い時間に家を出たから、千桜と2人きりだ。


彼女は昨夜、夕食を食べたくないと言って部屋から出て来なかったから心配だった。


たぶん俺と顔を合わせたくなかったんだろうな。


そう思うと胸にグサグサ棘が刺さるような気がした。


俺、千桜に嫌われたら生きていけないかも。


そんなことを思いながら何度もノックした。

「チー」


寝てるのかな?
いつも俺が起こしてやらないと起きれないんだよな。


「チー入るよ、あれ?」


ドアを開けて部屋に入るけど彼女はベッドにいなかった。


うそだろ、まさか先に学校へ行ったとか?


あの朝寝坊で低血圧の千桜が、早起きするなんて。


そんなに俺と顔を合わせるのが嫌なのか。


ショックを受けながら、2階から1階のリビングにのろのろと降りていった。
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