今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
普段から、彼は伊集院家のことはあんまり私達には話さないようにしているみたい。


それは彼なりの配慮なのかもしれない。


ええっと、兄の本当のお父さんと再婚した女の人の連れ子だから。


そうか、私と一緒で翔くんとその子は血がつながっていない妹になるんだ。


私と同じ立場ってこと……。


そんな人が私以外にもいたんだなって思うとちょっと驚きだった。


「お兄ちゃんっ」


私達が玄関から出て行くとその女の子は嬉しそうに高級車から飛び出してきた。


ツインテールの巻き髪をゆらゆら揺らしたその子は派手な雰囲気の背が高くスレンダーな美少女だった。


派手だと思ったのは彼女がきっちりメイクしていて高そうなピアスや指輪やブレスレットまでしていたから。


私達と同じ制服を着ているけれど、スカートがやたらと短い。


白くて長い足を惜しげもなく披露している。

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