今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
こんな人、同じ学校にいたっけ。


あんな格好で学校に行ったら校則違反なんじゃないかな。


彼女は真っすぐに兄に走り寄っていきなんとそのまま……。


勢いよく抱き着いてしまったのでギョッと目を見張った。


「お兄ちゃん、会いたかった」


「愛華……その制服はどうした?」


彼は困惑したように彼女に問いかける。


「どうしたって、この前転校するってちゃんと言ったじゃない。
お兄ちゃんと一緒の学校に通いたいんだもん」


「確かに、聞いてたけど。
そんなことでほんとに転校するとおもわなかったよ」


「信じてなかったのね?」


「まあね」


呆れたように苦笑いを浮かべる翔くん。


確かにこのやりとりが本当なら随分と中途半端な時期に転校してきたものだ。


どうりで見たことないはずだよ。


しかも兄と同じ学校に通いたいからってそんな理由で?

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