今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
優しい兄のことが大好きなので、家にいるときはいつもたいてい彼の部屋で一緒に過ごしている。


兄も当然のように迎えてくれて勉強を教えてくれたり一緒にゲームしたり、2人で漫画や雑誌を読んだりしてる。


うちではこれが普通のことなんだけど、世間的に見たら少しズレているらしくて。


兄妹ってどこのおうちでもこんな感じなのかなってずっと思っていたんだけど、うちはかなり特別みたい。


お兄さんのいる友達に聞いたら、部屋に入ろうものならすぐに追い出されるし思春期になってからはあまり口も利かないらしい。


他の子に聞いても大体そんな感じ。


だからかな私はお兄ちゃんっ子だとか、ブラコンだとか言われちゃうんだ。


この時、兄の腕を引っ張って甘えるように尋ねた。


『どうしてお兄ちゃんって呼んだら駄目なの?』


『うーんそれはね、チーが高校生になったからだよ』
< 12 / 443 >

この作品をシェア

pagetop