今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「3人でお車へお乗りください。早くしないと遅刻してしまいますよ。さあお急ぎください」
だけど、見かねた矢代さんがそう言ってせかしてきたので私は渋々車に乗ることにした。
兄を真ん中に挟んで後部座席に座ったんだけど、愛華さんはずーっと彼の腕に抱き着くようにして腕を絡ませていた。
それから楽しそうにニコニコ彼に話しかけている。
私はというと、物思いに耽りながら窓から外を見ていた。
そのうちにウトウト眠くなってきてしまった。
車の揺れが心地よくて、いまにも夢の中へ落ちそう。
たぶん昨日あれから考え事をして頭を悩ませていたから全然眠れなかったせいだ。
「チー、俺にもたれていいよ」
兄が優しくそう言ってくれた時にはすでに夢の中だったからこの後車内でどうなったのかは知る由もなかった。
「あーズルい、その子にだけ」
愛華さんが頬を膨らませて大袈裟に拗ねていたことも。
「翔くん……お兄ちゃん」
兄の肩にもたれて私が寝言を言ったことも。
兄が時々愛おしそうに私の頭を撫でてくれたこともなんにも知らなかったんだ。
だけど、見かねた矢代さんがそう言ってせかしてきたので私は渋々車に乗ることにした。
兄を真ん中に挟んで後部座席に座ったんだけど、愛華さんはずーっと彼の腕に抱き着くようにして腕を絡ませていた。
それから楽しそうにニコニコ彼に話しかけている。
私はというと、物思いに耽りながら窓から外を見ていた。
そのうちにウトウト眠くなってきてしまった。
車の揺れが心地よくて、いまにも夢の中へ落ちそう。
たぶん昨日あれから考え事をして頭を悩ませていたから全然眠れなかったせいだ。
「チー、俺にもたれていいよ」
兄が優しくそう言ってくれた時にはすでに夢の中だったからこの後車内でどうなったのかは知る由もなかった。
「あーズルい、その子にだけ」
愛華さんが頬を膨らませて大袈裟に拗ねていたことも。
「翔くん……お兄ちゃん」
兄の肩にもたれて私が寝言を言ったことも。
兄が時々愛おしそうに私の頭を撫でてくれたこともなんにも知らなかったんだ。