今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
最近の彼はわからない時がたまにあるけど。
そんなことは今は関係ないと思った。


「好きな食べ物とか、好きな色とか、他にもどんなに優しいかとか、どんなに家族思いかとか知ってるもん」


「……」


「それに、釣り合うとか釣り合わないとか関係なくお兄ちゃんは私のことをいつも素直で可愛いって褒めてくれるし、それにっ」


気がつけば夢中になっていた。


自分の方が妹に相応しいんだって意地になってしまって。


勝負なんて、こんなの馬鹿げてるのに。


「なによ……あなた結構いやな子ね」


彼女は怯んだように眉を下げる。


言い返してこないだろうと思っていた私が反論したのが意外だったのかも。


「だって」


「性格わるっ」


ええっ、あなたにだけは言われたくない。


私から見たら愛華さんの方が何倍も性格が悪いし。


「とにかく、私とお兄ちゃんの仲を邪魔しないでよね」
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