今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
彼は私の髪を指ですくいながらにっこりと笑う。


その返答がますますよくわからなくて頭をひねった。


兄はとても頭のいい人だから、時々何を考えてるのかよくわからない時がある。


『チーが高校生になったらいろいろとやりたいことがあって、そのまず第一歩だよ』


『やりたいこと?』


どうして私が高校生になったからって、やりたいことが出来たのかな?


『まずはチーに名前で呼んでもらいたいんだ、お兄ちゃんじゃなくて翔って。駄目か?』


真面目な顔でお願いされたから、断る理由も浮かばなくていいよってあっさり返事をした。


『えと、翔……くん』


ベッドから体を起こして名前呼びの練習をしてみた。


今までお兄ちゃんって呼ぶのが当たり前だったから、ちょっと恥ずかしい。


『翔でいいよ』


兄も起き上がって隣に座る。
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