今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
どうしよう、部屋に2人きりなんて。こんなシチュエーションだって珍しいことじゃないのにやけに緊張してしまって。


彼の隣におずおずと腰掛けたけど、いつもより心持ち距離をおいた。


「チー、今朝はごめんな。愛華のこと」


彼が今朝のことを謝ってきてくれたので拍子抜けというかびっくりした。


あらたまって話がしたいなんて言われたからなんだろうって思ったけどそのことだったんだ。


「あっ、うん。ちょっとびっくりしたけど大丈夫だよ。まさか私以外にも妹がいるなんて思いもよらなかったけど」


「ああ、そうだよな」


「愛華さんって随分翔くんのことを好きみたいだね」


「ん?そうかな。まだ新しい生活に慣れないみたいで心細いらしいよ。
たまに俺が親父に会いに伊集院の家に行くと喜んで迎えてくれる」


「ふうん」


そっか。翔くんがあっちのお宅に行けば彼女がいるんだ。
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