今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
今朝の様子だと、彼が訪ねてくるのを心待ちにしているんだろうな。


彼が伊集院家に来たらベタベタとくっついて離れないに違いない。


なんだろう、もうそれだけで胸がザワザワしちゃうよ。


そう言えば彼はここ半年くらいは以前よりも頻繁に向こうのお宅に顔を出しに行ってたような気がする。


「それでここ最近よく向こうに行ってるんだね」


とりようによっては嫌味に聞こえるかもしれない言い方をしてしまった。


「親父、不器用だし新しい家族とうまくやれてるか俺も気になってて」


「そ、そっか。お父さんのために行ってるんだね」


「うん、まあ。再婚した人は凄くいい人だからちょっと安心したけど愛華は難しい年頃だし……」


彼は伊集院のお父さんのことも大切に思ってるから。新しい家族の様子を彼なりに心配しているのかもしれない。


邪推してしまったのがちょっと恥ずかしい。
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