今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「愛華、ちょっとわがままなとこもあるけどそんなに悪い子じゃないよ」


「へ、へえ、そうなんだ」


そう言われてもな。ちょっと複雑かも。


「でもあんまり仲良くなれないかも」


つい本音が溢れてしまった。


「えっ」


「ごめんなさい」


だって向こうがあんな意地の悪い態度なんだもん。


チラッと彼の方を見たら、ちょっと驚いた顔をしてる。


「チーがそんな風に言うの珍しいね」


「ごめん」


「いや、謝らなくていいよ。それに無理して仲良くしなくても大丈夫だから」


彼は優しく笑ってくれたけど、内心呆れているかもしれないな。


愛華さんより私の方がわがままだと思われたかも。


でもいいや。


嫌なものは嫌なんだもん。


彼女、兄との距離感が近すぎるし、そういうのも苦手っていうか。


でもヤキモチをやいてるみたいに思われかねないからそれは言えない。
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