今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「だけど、駄目だよ。兄妹だもん」


「駄目なことなんて無い。チー、一旦そのことは忘れて俺のことをちゃんと見てくれないか」


忘れるって兄と妹ってことを?


そんなことが出来るとは到底思えないよ。


あんまり突然の展開すぎて頭が追いつかない。


「一旦忘れるなんて、できっこないよ」


「どうして?」


「だってお兄ちゃんだもん」


「だったら俺は今日からチーの兄貴をやめる」


「え、何言ってるの?そんなのやだ」


もしかして私のことをからかっている?
ドッキリ?だったりして。


だけど彼の話し方やしぐさ、その全部が真剣そのものだった。


「チー、心配しなくても父さんや母さんのことは俺が説得する。
だから、チーは俺をちゃんと男として見れるかどうかだけ考えて。
どうしても嫌ならそう言って欲しい。
だけど、兄妹だから駄目なんて答えは認めない」

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