今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
これ以上続けたら自分がどんどん暴かれてしまいそうでこわい。


「あっ、待っ……て。お願い」


すがるようにそう言うと、兄は我にかえったように指の動きを止めた。


「一方的に触られたら怖いよな。ごめんな」


「あ、う……ん」


「だったらこうしよう」


優しい笑みにますます胸の奥がザワザワと騒いでしまう。


「チーが俺のことを触って」


「へ……」


「どこでもいいよ」


口角を上げた彼は楽しげにそう言う。


「ええっ、むり」


私から触るの?でも触らないと触られるし。


一方的に触られるよりこっちから触る方が緊張しないかな。


頭の中はおかしな思考でいっぱいになってクラクラめまいがしそうだ。


「あ、あ、待って」


だけどゆっくり考える時間なんて与えてくれない。


私の手は彼に引き寄せられて、柔らかな頬にあてられる。


次に首から胸にゆっくりと降りていく。


「チー、ちゃんと俺を見て」


「翔くん……」
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