今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
本当にスカートなんてどうだっていいんだけど、なんだか父の態度にも苛々してきてますます意固地になってきた。


「お父さんまでお兄ちゃんの味方して。いつもはお兄ちゃんにばかり甘えたら駄目って言ってるじゃない」


「そ、それは。
それとこれとは違うだろ」


珍しく反論したら父は気まずそうな顔をする。


「父さんもチーのことを心配してるんだぞ」


兄もすかさず父に加勢してきた。


「なによ、2人で」


ぷうっと唇を尖らせると兄が盛大にため息をついた。


「ようし、わかったこうなったら力づくで着替えさせてやるから覚悟しろよ」


兄がとうとうキレたような瞳で睨みつけてきた。


こっちへ手を伸ばしてきたからサッとよけた。


「ええ、やだ。うそっ、あっちいって」
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