今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「うんそうだよ」


「それなら……これ以上反対できないしな」


仕方がなくって雰囲気だったけど、なんとか行くことを認めてくれたみたい。


実際に西原くんと話してみて、大丈夫そうだって判断したのかもしれないな。


「……」


「西原くんが責任をもって今日一日チーを守ってくれるって約束してくれたしな」


淡々と説明されたけど、何を考えているのか読めなかった。


「えっ」


無理矢理、約束させたのかもしれない
けど……。


兄はもう話したく無いみたいで口をつぐんでしまった。


そして、私達に背を向けてバットを振り始めた。


ブンッ。


風を切るような鋭い素振りの音に西原くんの身体がビクッと震える。


「あ、それじゃあいってきます」


黙ったまま素振りを続ける兄の背中に声をかけた。


西原くんに向き直り声をかけて歩きだす。


「西原くん、いこ」


「う、うん」
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