今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
それに私もこの時少しでも早く家に帰りたかった。


「えーいいじゃん、瀬戸さん行こうよ」


ニコニコしている男子達3人に一斉に囲まれてしまった。


もしかしたら兄はこういうことを心配していたんだろうか。


「でも……」


「俺たちもっと瀬戸さんと話してみたかったんだ」


あまりの圧の強さにたじろいで後ろに下がった。


「たまにはいいじゃん、行こ行こ」


「あ、あの……」


なかなか諦めてくれなくて困っていたら、西原くんが助け船を出してくれた。


「ダメダメ、瀬戸さんは勉強が終わったら俺がまっすぐ家まで送り届けることになってるんだから」


「ズリーぞ、西原」


「お前はイケメンなんだからほかの女子に行け」


「うっせ、関係ないだろ」


結局、西原くんが頑張ってくれたおかげで男子達は渋々あきらめたようだ。


「歌ちゃん帰ろ」
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