今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
兄達の乗った高級車は正門の真ん前に止まっていて、ドアが開いたところだった。


あんな目立つ車で来たら注目されるに決まってるよ。


いつもなら学校の少し手前で下ろしてもらうのに、愛華さんはわざと見せつけようとしてるのかもしれない。


人だかりの後ろで、兄と愛華さんが車から降りてくる様子を睨むように見つめていた。


2人の姿が目にうつると知らず知らず唇を噛んでいた。


だけど、私は動けなくて声もだせなくてその場にじっとしていた。


あれ、どうしてだろう。


たった2日間会ってなかっただけで兄が遠い人になってしまったように感じた。


こうして二人が並んだところを改めて見ると二人ともモデルのように背が高くてスラッとしている。


キラキラした美男美女って感じで、悔しいけどお似合いに見えた。


いつだったか、愛華さんに言われた言葉を思い出してしまった。


私の方が妹として彼に釣り合うんだって彼女は自信満々で言ってたっけ……。
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