今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
そうなんだそもそも、それを聞いておかないといけなかった。


大事なことだったはずなのに忘れるところだった。


「どうして帰ってきてくれなかったの?愛華さんのことはどう思ってるの?」


この2日間のことをおもいだして、強い口調で問いただした。


「へ?愛華?」


鳩が豆鉄砲を食らったみたいにきょとんとする彼。


「そうだよ、義妹だからって浮気してひどい」


消えかけていた怒りがふつふつと再燃してきた。


「え、あれが浮気って言うのか?」


彼にしては凄く間の抜けた声。


「だって2日間も帰ってこないし」


私が詰め寄ると彼は少し気まずそうに後ろへ下がる。


「いや待てよ。愛華はただの妹としてしか見てないって」


「私だって妹だよ」


「いや、チーは特別だから」


「でも愛華さんにベタベタ触らせたら嫌だ」


思い出しただけでも悲しくなる。


「チー?」


「あっちにお泊りもヤダ」

< 234 / 443 >

この作品をシェア

pagetop