今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「お泊りって……。わ、わかった、もうしない。気を付ける」
「ほんとに?一緒のベッドに寝てない?」
「そんなことするわけ……」
そこで彼が最後まで言わなくて、苦虫を噛み潰したような顔をしたから嫌な予感がした。
きっと何かあったに違いない、そう直感した。
「一緒に寝たんだ、ひどいよ、やっぱり浮気してたってことでしょ」
カッとなって声を荒げたら、彼は慌てて否定した。
「違うそうじゃない。愛華が勝手に隣で寝てて」
「ええっ?」
「あ、いや、そうじゃなくて」
そこまで白状してしまってから彼はまずいって顔をした。
余計なことを言ってしまったと思ってるみたい。
「いや、あいつもそういうつもりじゃなかったと思うし。反省もしてたし、ただちょっとふざけてただけで」
困ったように眉をしかめ苦しい言い訳をする。
「何それ」
よくよく尋ねたら一緒のベッドで寝たいとせがまれて断ったはずが、翌朝起きたら愛華さんが隣で寝ていたんだとか……。
どうやら彼女は彼が寝ていた部屋のスペアキーを持っていたらしい。
「最悪っ」