今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「あーもう降参、俺の負け」


一刻も早くやめてもらいたくて白旗をあげた。


「えっ?ほんと?やったー」


嬉しそうにニコッと笑う彼女に思わず見とれそうになる。


この天使のような純真な笑顔が大好きだ。


ほんの一瞬気が緩んでぼんやりした。


「チー」


「きゃっ」


彼女の小さい悲鳴を聞いてハッと我に返ったけど時すでに遅し。


気が付いたときにはか細い彼女の身体を腕の中にしっかり抱きしめていた。


その上、2人でソファーに重なり合うように寝転がっている。


「……っ」


ヤベ……。俺が押し倒したのか。


完全に無意識にやってしまった。


これはさすがに失敗だ。


これまではなんとか抑えてきたのに、俺どうしたんだろ。


あんまり彼女が好きすぎてついに壊れたのか。

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