今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

隠していたはずなのに。



「チーもうすぐ終わるから」


「うん、大丈夫だよ。私ここで待ってるね」


「なにかあったら呼べよ」


「うん」


生徒会室の隣の準備室にいる私に声をかけて翔くんは生徒会の仕事に戻って行った。


今日は生徒会のメンバーで今後の行事の話し合いをする日らしい。


私はというと兄の生徒会活動が終わるまでここで1人で待つことにしていた。


待っている間、手持無沙汰なので生徒会の雑用を手伝わせてもらっているんだ。


準備室にはコピー機やパソコンが置いてある。


資料や学校のアルバムやたくさんの段ボールが積まれていて倉庫みたいでちょっと埃っぽい。


手伝うって言っても配布プリントのコピーやホッチキス止めなど簡単なこと。


少しでも兄の役に立てたらいいな。


そう思って一人でせっせと作業をしていた。


すると、ドアをノックする音がしたのでハイと返事をした。
< 256 / 443 >

この作品をシェア

pagetop