今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
千桜の白い首筋や桜色のみずみずしい唇に、今すぐキスしたいのを必死で我慢してる。


それなのに、千桜はあどけない笑顔を俺に向けて警戒心のかけらもない。


俺って、完全に男として見られていないんだな……知ってたけどさ。


さすがにむなしくなってハアって小さくため息をついた。


彼女にとって俺は完全にオニイチャンなんだな。


気持ちが沈みかけていると小さい掌が頬にピトッと触れてきた。


「どうしたの?」


千桜は心配そうに尋ねてきた。


下から覗き込むようにして首をかしげている。


そのしぐさが可愛い過ぎて俺の理性は今にも焼ききれそうだ。


「なんでもない」


無理して少し笑ったけど、彼女は信じない。


「どうしてそんな悲しそうな顔をするの?」


「そうかな?そんなことないよ」


「ごめんね、嫌だった?」
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