今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
もしかしたら、無意識にここの記憶を封印していたのかな。


「どうしてわかったの?」


兄と出会う前に来ていた場所だから彼が知っているはずがない。


父も場所までは知らないはず。


父が仕事をしている平日によく母と2人きりで来ていただけだから。


「子供の頃にチーが寝言で遊園地に行きたいって言ってたことがあって。
ずっと探してたんだ。
チーのお母さんとの思い出の場所だったんだね」


「うん、でも遊園地ってだけでどうしてわかったの?」


遊園地と呼ぶにはあまりにもこじんまりしているし低年齢向けの遊具が中心に置いてあるだけ。


あまりメジャーな遊び場所とは言えないのに、どうやってここに辿り着けたのかな。


彼の方を見ると、どこで貰ったのかこの遊園地のパンフレットの紙に目を走らせているようだ。
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