今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「う、えと、ごめんなさい」
「兄妹は結婚なんて出来ない運命だからね」
「うんめい?」
「もう決まってることって意味」
「ふうん」
家族がバラバラになるって言われて、怖くて悲しかった。
兄のことが、大好き。
その感情の意味なんてまだ知らない。
だけどその日から、これはいけないことなんだってようやく理解した。
親を悲しませることなんだって。
だって私達は兄妹なんだから。
結ばれてはいけない運命なんだから。
だけど、結婚なんてしなくても妹の私はいつだってお兄ちゃんのすぐそばにいられるんだ。
だから、私はそれだけでいいの……。
それだけで充分幸せだから。