今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
正直に話していいのかわからなくて口をつぐんでしまった。
私が答えられないでいると代わりに翔くんが落ち着いた声で返事をする。
「千桜が小さい頃にお母さんと行ってた屋上遊園地へ行ってきたよ」
「……」
それを聞いて一瞬黙りこんだ父は少し間を置いてからようやく口を開いた。
「そうか……よくそこがわかったね」
そう言って小さくため息をついたような気がした。
「チーを連れて行ってあげたくて、ずっと探してたから」
「お兄ちゃんは優しいんだな」
心なしか弱々しくて寂しそうな父の声。
「……」
翔くんはちょっと俯いて黙ってしまう。
「だけど、千桜はあそこへ行って大丈夫だった?動揺したりしなかったかい?」
父はどうしてこんな言い方をするの?
まるで翔くんを責めているような気がして胸が痛かった。
「……泣かせてしまった、ごめん、俺のせい」
翔くんが苦しそうに謝るから、そんなことないよって言ってあげたいのに、声が出せなかった
私が答えられないでいると代わりに翔くんが落ち着いた声で返事をする。
「千桜が小さい頃にお母さんと行ってた屋上遊園地へ行ってきたよ」
「……」
それを聞いて一瞬黙りこんだ父は少し間を置いてからようやく口を開いた。
「そうか……よくそこがわかったね」
そう言って小さくため息をついたような気がした。
「チーを連れて行ってあげたくて、ずっと探してたから」
「お兄ちゃんは優しいんだな」
心なしか弱々しくて寂しそうな父の声。
「……」
翔くんはちょっと俯いて黙ってしまう。
「だけど、千桜はあそこへ行って大丈夫だった?動揺したりしなかったかい?」
父はどうしてこんな言い方をするの?
まるで翔くんを責めているような気がして胸が痛かった。
「……泣かせてしまった、ごめん、俺のせい」
翔くんが苦しそうに謝るから、そんなことないよって言ってあげたいのに、声が出せなかった