今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「あとで制服のリボンを結んでやるな」


「ん、ありがと」


鏡越しに微笑み合ってからうがいをした。


ってなんだかんだ甘えてる私にも問題があるのかな……。





2階の自分の部屋に戻ってのろのろと制服に着替えてから、1階のリビングに行くと両親が朝食を食べていた。


あ、玉子焼きのいいにおいがする。


スーツ姿の両親が食卓についていて兄はキッチンでお弁当におかずを詰めていた。


兄はいつものように黄色いひよこ柄のエプロンを付けている。


私が中学の家庭科の授業で作って兄にプレゼントしたエプロン。


今でも大事に使ってくれているんだ。


そんな彼は見かけによらずお料理が得意。


共働きで忙しい母をサポートするために普段から家事を率先して手伝っている。


私のお弁当も彼が毎朝つくってくれる。


「おはよう」


「チーちゃん、おはよう」
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