今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
きっとどんなに引き止めても彼の意思は変わらない。


そのことだけは、はっきりとわかった。


兄はやはりこの家から出て行こうと決めていたんだ。


なにもかも、自分1人だけのせいにして……私たちの前からいなくなってしまうつもり?
 

どうしてこんなことになるんだろう。


急いで自室に駆け込んだ私は、ベッドに顔をうずめた。


途方にくれて頭の中がぐちゃぐちゃで、真っ白になってしまった。


誰も悪くなんて無いはずなのに。


決して憎みあっているわけじゃないのに。


このままだと、ほんとうに家族がバラバラになっちゃうよ。


一体どうすればいいの。












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