今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
他のみんなはサッサと課題を終わらせて、大広間から出て行ったみたい。


先生さえも席を外しているようだ。


このままだといつまで経っても終われそうにない。

 
「合格点を貰えないと昼飯食いにいけないらしいよ。メシ抜きはキツいだろ?」


「……」


そうか確か今朝先生がそんなことを言ってたっけ。


うちの高校は一応進学校なので、落ちこぼれは許されないんだ。


私の頭のレベルを考えたらかなり無理して入った学校。


それをわかっていてこの高校を選んだのは、少しでも兄と一緒にいたかったから。


私の選択の基準にはいつも兄がいるんだなって改めて思った。


何をしていても、彼のことばかり考えてしまう。


「でもあんまり食欲ないからいいや」


投げやりな言葉に聞こえたのか西原くんが眉をひそめる。
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