今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
まるで自分のことのように嬉しそうに彼女の活躍を話す彼。


確かに歌ちゃんは熱心にバレーの練習に励んでいたっけ。


1年でレギュラーに選ばれるくらい上手いなんて尊敬しちゃうな。


「そっか、歌ちゃんてそんなに凄いんだ」


「うん」


彼は子犬みたいに可愛い笑顔でニコニコしている。


わっ、なんだか思った通りいい人みたい。


「あの……もしかして石野くんって歌ちゃんのことを……」


好きなの?って尋ねようかと思ったら彼はサッと顔を赤らめた。


「あ……いや、それは」


しどろもどろになっていてかなりわかりやすい。


あ、これは聞くまでもなかったかな。


「そっか、歌ちゃんのこと大事にしてあげてね」


絶対に彼女も石野くんのことを気に入ってるはずって思った。


控えめなタイプの彼と、活発な歌ちゃんは意外に相性がいいのかもしれないな。


だけど……。
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