今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「……なんかもう疲れちゃった。最近そのことばかり気にしてたから」


彼女が少し横になりたいって言うのでお布団を敷いて少し寝かせることにした。


「ごめんね、千桜」


「ううん、気にしないで。ゆっくりやすんでね。先生には私が適当に言っておくから」


こんなに気落ちしている歌ちゃんは初めて。


よっぽど石野くんのことがショックなんだろうな。


まだ付き合っているわけじゃないみたいだけど、絶対両思いに間違いないのに。


こんなの悲しすぎる。


私の知ってる歌ちゃんはいつも明るくて元気で食いしん坊でバレーが大好きで、いつでも私の味方になってくれる優しい女の子だ。


彼女のために私にできることは何だろうって必死で考えていた。






それから2時間ほどして歌ちゃんと大広間へいくと、みんな課題のプリントに取り組んでいた。


歌ちゃんは大広間へ入るなり、石野くんとは遠く離れた席に座ってしまった。


お互い顔を合わせても知らん顔。
< 368 / 443 >

この作品をシェア

pagetop