今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
美人で知的な母はサバサバしていて話しやすい、中学校の音楽の教師。


そして家族の中で一番一緒に過ごす時間が長い兄は大の仲良し。


確かに血は繋がっていない、だけど。


私にとってはみんな大好きで大切な家族だ。


「チー、リボン」


兄は両親の心配なんて知らん顔で私の制服のリボンを結んでくれる。


ニコニコしながら楽しそうに私の世話を焼く兄を見て両親がやれやれといった呆れ顔をする。


ああもう、翔くんったら全然空気を読んでないんだから。


ほらほらお父さんが気にしているみたい。まだこっちを見てるよー。


「トーストにはバターがいい?イチゴ?マーマレードもあるよ」


兄は我関せずでその視界には私しか入っていないようだ。
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