今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「いやマジな話……守ってあげたいって思っちゃうよ」


そうなのかな、あんまりストレートに言われてちょっと恥ずかしい。


西原くんが言うように兄はずっとそんな風に思ってるのかな。


守ってあげなきゃって……。


そりゃそうだよね、普段の私の頼りなさからしてそう思わせちゃってるよね。


それにこれまでずっと兄と妹の関係だったから。


確かに、これまではそうだったかもしれない。


思い当たることはいくらでもある。


兄はいつだって私のために行動してくれていた。


だから両親に秘密がバレてしまったあの時にはもう決心していたのかな。


自分一人ですべてを背負って家を出て行くって腹をくくっていたのかもしれない。


「どうしたの?顔が赤いね」


西原くんに言われて初めて自分の顔が火照っていることに気がついた。


「そ、そうかな」


西原くんが心配そうに尋ねてくるから、大丈夫だよって言って笑顔を作った。
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