今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
いつもの彼女らしく明るく彼に笑いかけた。


「それでもダメって言われたらまた一緒に考えようよ」


「……うん、歌さんがそれでよければそうするよ」


石野くんは小動物みたいに可愛いらしい笑顔を見せた。


えっーと、つまり、仲直りと告白を同時にしちゃってるのかな。


ああ、良かった。2人が幸せそう。


初めて彼らが一緒にいるところを見た時、とってもあたたかな気持ちになったんだ。


あの時彼の隣にいる歌ちゃんはとっても優しい表情をしているなって感じた。


今の彼女はさらに満ち足りて輝いている。


「じゃあ、俺らはこの辺で。
あとは2人でよく話し合いなよ。
行こう、瀬戸さん」


「あ、うん。そうしよっか」


これ以上、ここにいたらさすがにお邪魔虫なので立ち上がった。


「千桜、あの、ありがとうさっき千桜の話を聞かせてくれて。おかげで私、素直になれたんだと思うの」
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