今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「ちょっと、お兄ちゃんも西原くんもこんなところで喧嘩しないで、みんなが見てるよ」


いつのまにか、私たちの周りには見物する生徒達でいっぱいになっていた。


周りから見たらどんな目で見られるだろう。


騒ぎが大きくなったら困る。


ちょっと二人ともヒートアップしすぎている気がして、今すぐ止めなきゃって思った。


「2人ともやめようよ」


だけど、私の声なんてもう届かないみたい。


「だって妹だろ?ちょっとシスコンがひどすぎませんか?」


西原くんは耳まで真っ赤になって激昂する。


こんな彼を見たのは初めてかもしれない。


「シスコン?なんだそれ、そんなに軽いもんじゃない」


「だったらなんなんだよっ」


「チーは俺の彼女だ。誰にも渡すわけないだろ」
< 402 / 443 >

この作品をシェア

pagetop