今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「どうして?」


「どうしてはこっちのセリフだろ」


「へ?」


あれ、ちょっとキレてる?


甘い雰囲気どころじゃなくて拗ねてるように唇を結んでいる彼。


「そんな布が小さい水着を勝手に着て、いったい何考えてんだよ」


「布が小さいって……」


「裸同然じゃないか」


「なんだ、そこか」


何をプリプリしているのかと思ったら。


「なんだじゃないだろ、俺はさっき見たとき卒倒しそうになったぞ。その上、西原とベタベタしてたし」


「ベタベタなんてしてないもん」


反論したけど、兄は憮然と唇をとがらせる。


「それに水着なんてみんな同じようなのを着てたよ。そんなに過激な水着ってわけじゃないし普通だよ」


初めは恥ずかしかったんだけど、周りがみんなビキニだったし慣れてきたって言うかいつのまにか気にならなくなっていた。
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