今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
あんまり彼が頑ななのでちょっと悲しくなってきて拗ねてしまいそう。


「どうせ私に言ったところで仕方が無いって思ってるんでしょ」


「違うって……ただほんとに自信が無いだけで」


「……」


黙って悲しそうに上目遣いをしたら、彼は前髪をかきあげて大袈裟にため息をついた。


「わかったよ」


「え」


「引かないって約束してくれる?」


「うん、絶対に引かないよ」


「このまま付き合ってチーが大学を卒業したら早めに……したいなって」


だんだん声が小さくなる。


「え?なにをするの?」


「そのためにも実質的に兄妹じゃなくなっていたほうがいいから」


あんまり恥ずかしいのか、だんだん早口になる。


「え?え?」


「だから、今のうちからひとつ屋根の下には住まないほうがいいだろうなって思ってる。
他人の目を気にするわけじゃないけど、しないでいい苦労を背負い込むことないだろうし]
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