今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
そう言ってホウッとため息をつく。


「そ、そう?」


兄のことを褒められると自然と笑顔が溢れた。


自分のことを褒められた以上に嬉しくなってしまうんだ。


「でもお兄様よりもカッコいい人なんてなかなかいないんじゃないの?」


「うん」


素直にうんって言っちゃったけど、ちょっと恥ずかしいな。


やっぱり私ってブラコンコンテストで優勝できちゃうかもしれないんだ。


「そんな人が現れるのを待っていたら一生彼氏なんてできないんじゃない?」


「へ?」


そういうものかな、でも今のところ彼氏が欲しいなんて全然考えてないんだけど。


「彼氏なんていらないよ。付き合ったりとかあんまり興味がないし」


「まあ今はそうだよね。でもいずれはできるんじゃない?千桜がその気になればどんな男だって落とせるでしょ」


「そんなことないけど」


歌ちゃんは私のことを過大評価してるようだ、それに……。
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