今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
私って勉強があんまりできなくて読解力がとぼしいから。


おバカな私にもわかるように説明してほしい。


ポカンとした顔をした私に歌ちゃんはわかりやすく話してくれた。


「つまり、お互いに独占しあっているってこと。他の誰も二人の間には、はいれないようにしっかりガードし合ってるの」


「そうかな」


「それってなんて言うか知ってる?」


「うーん」


「恋人って言うんだよ」


「は?」


ドキドキと胸が鳴るのを感じた。


だけど、この胸の騒がしさを今すぐ鎮めないといけないと思った。思わず胸に手をあてて押さえていた。


「だから千桜はお兄様のことが」


「違うっ」


ガタンッと勢いよく音を立てて椅子から立ち上がった。


どんどん心拍数が上がっていくのを感じる。


「兄妹だもん……」
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