今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
翔くんは確かに私に構いすぎるところはあるけど、それはあくまで兄としての家族愛からだ。


それ以外にあるわけないんだから。


「瀬戸さんってさ、上級生達から凄い注目されてるらしいよ。
今年の1年でナンバーワンの美少女だって」


「へ?美少女って誰のこと?」


「瀬戸さんのことに決まってる」


西原くんったら突然何言ってるんだろう。私がそんなに注目されるわけなんてないよ。


強いて言えば、あの兄の妹だから少しは人の目を引いてしまうのかも。


けど、私自身はいたって普通のどこにでもいる女の子なんだけどな。


西原くんは私の反応にクスッと笑って続けた。


「あーそうか、瀬戸さんは自覚無しっぽいね。
でもそれでさ瀬戸さんのお兄さんが妹にちょっかいだす奴がいたら俺が許さないって宣言してたらしいよ。投げとばすって、ほんとなの?」
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