今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
あと5秒遅かったらもっと気まずかっただろう。


私はポンちゃんで顔を隠しながらそのまま部屋に入って行く。


「見てないから、早く着替えて」


彼のベッドめがけて一目散にダイブしてお布団の中へもぐりこんだ。


「チー、出てけ」


優しいけど迷惑そうな声。


「大丈夫、なんにも見なかったから」


嘘です、ほんとはバッチリ目に飛び込んできた。


細身なのにしっかり筋肉のついた肩とか胸とかお腹とか。


なんだかまた以前よりもたくましくなったような気がするしそれに。


とても綺麗な身体で色気が半端ない。


「なんで入ってくるんだよ。着替え終わるまでちょっと外で待ってな」


「私はいいから、気にしないで」


お布団をかぶって彼に背を向けるように壁の方を向いている私。


「俺は良くない」
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