今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
手から腕にかけて優しく揉みほぐしていく。


「ふぅっ」 


気持ちよくてついつい吐息が漏れちゃうよ。


彼はマッサージが得意。


毎朝こうして身体を揉みほぐして起こしてもらえる。


次は足先。


撫でるように触られるから、くすぐったいの。


だけど凄く心地いいんだ。


心の底までも伝わってくるような優しい手つき。


「フ」


「気持ちいい?」


「うん」


「チーは低血圧だからこうしてやらないとなかなか起きれないもんな」


「ん、お兄ちゃんありがと」


「……」


「あ」


「チー、ダメだろ」


ため息まじりの切なげな声にハッとする。


「わっ、今のは無し、間違えた」


マズいと思って慌てて起きあがった。


案の定私の足をマッサージしている彼は複雑な顔をしてて。
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