今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
ぼんやりそんなどうでもいい考えが頭をよぎる。


片方の手首をやんわり握られて顔の横に固定され、上から見下ろされる。


彼の彫刻のように整った顔にうっとりと見惚れそうになる。


美しくたくましい身体にも目が奪われて困った。


思わずコクっと息を呑んだ。


「チーもっとそんな顔、俺に見せて」


彼のため息まじりの表情に色香を感じて、胸が爆発しそうなくらいドキドキした。


普段は見せない男の人の顔。


どうしようもなく心を奪われる。


「は、恥ずかしいよ」


彼の眼差しから逃げるように横を向く。


私いま絶対顔が真っ赤になってるに違いない。


それに表情がフニャフニャになっている気がする。


こんな顔、見られたくない。


「なあ、どうしてそんなに赤くなるの?」


「……や、言わないで」
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