【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。



 今日は学校の文化祭だ。哉斗くんからの招待と学校側からの招待を同時に受けた私は、それを利用して彼に報告する計画を立てていた。

【もうすぐ着きます】

 そう哉斗くんにLINEを送る。すると、1分も経たず既読がつき、【待ってる】と返信がきた。
 それから学校の校門前に着くと、運転手さんがドアを開けてくれて車から降りた。

『!? 美央ちゃん、それどうしたの?』

『哉斗くん、驚いた?』

『そりゃ、驚くよ。なんで美央ちゃんがうちの制服着てるの?』

 哉斗くんは目を見開き、とても驚いている。感情的に手話で話す。

『私、この学校に編入することになったの。先生に文化祭来たらどうかって言われて』

『編入って……知らなかった。でも、編入試験って難しいって聞いたけど』

『すごく頑張ったんだよ』

 すると、哉斗くんの後ろから海斗くんがやって来て海斗くんは、哉斗くんと同じ反応をした。

『え! その制服……』

『来週からお世話になります』

 私が軽くお辞儀をして頭を上げると、哉斗くんとは違いボーっとしていた。
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