【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


 哉斗くんは頷き、ため息を吐く。


『自分のこと可愛いって思ってて自分はお姫様だと勘違いしている。それで何度も何度も好き好きって言って来ていた』


 私が哉斗くんと出会う前から、彼女は哉斗くんが好きだったんだ……なんだかモヤモヤする。


『曖昧な言葉で断っていたのは俺も悪いと思う。だけど、好きなんて気持ちは一切ない。迷惑していたくらいだ。俺の行動が招いた結果、美央ちゃんを傷つけてしまった……本当なら、身を引かなきゃいけないと思う』


 哉斗くんは一度深呼吸をする。


『俺が可愛いと思うのも好きだと思うのも美央ちゃんしかいない』




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