【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


 座って待っていると女の子がやってきて【こんにちわ】とメモを差し出した。

 私は深くお辞儀をして女の子を見上げると、まるでお人形のような可愛らしい女の子がいた。
 メモ用紙を出すと、彼女はスラスラとペンを走らせてそれを見せた。

「【急にごめんなさい。私、榎本沙知(えのもと さち)と言います。倉橋くんと飯嶋くんと一緒に生徒会の書記をしてます。】」

 メモを見て私もペンを走らせる。そういえばこのメモ帳久しぶりに使うな……と思いながら名前を書いた。

「【私は五十嵐美央です。よろしくお願いします】」

「【五十嵐さんのことは知ってるわよ。通信からの編入生で、とびきり美人がやってくるって。しかも、倉橋くんの婚約者】」

 榎本さんが私の目の前にメモを見せると「私会いたかったんだー」とゆっくり言った。その後、哉斗くんたちの仕事が終わるまで榎本さんとお話をしたから退屈しないで済んだ。

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